第一回:五感で実感する暮らし

木の良さを五感で実感しながら暮らしています。

※若いご夫婦と幼い姉妹が住む徳島市内のお家に伺って、お話をお聞きしました。

家族●ご主人:もしも家を建てるなら、昔の木造校舎のような味のある家が良いと、ことあるごとに嫁さんからきかされていたんです。僕はアトピー性皮膚炎と喘息を持っていて、長女にも同じような症状が出ていた。で、いろいろ勉強するうちに、家の中の化学物質も体にあまりよくないことがわかり、外観的なことと、健康面のことが一致して、木の家にしようということになりました。

実際に住んでみて、喘息の発作が起きる回数は確実に減りましたね。あ、もちろん個人的な感想ですよ。長女の小児喘息は成長でおさまったのかも知れないけど、僕のは回数も程度も軽減しました。設計士の先生が、接着剤や化学物質をできるだけ減らす設計をして下さって、しかも木が呼吸してて空気も回る、その結果ではないかと。木の床も良いのかも知れないですね。じゅうたんには原因物質がたまるんですが、敷かないので、そもそもたまらない。香りもいいですよ。新築って接着剤くさいものですけど、この家は最初からずっと木の香りです。

本棚●奥様:この家は単純なつくりで何も凝ったことはお願いしていないのだけれど、とにかく健康のために、と徳島すぎを使ってもらったんです。

●ご主人:徳島すぎにいちばんお金をかけてます(笑)。僕たちはごくごく一般的な収入のごくごく平均的な家庭だと思うのですが、それでも木の家は建てられるんだよ、ということはぜひ書いてあげてください。

●奥様:国産材を使った家は高いと思われがちだけど、どこに重きを置くかだと思います。ウチはコストを削減するために、お風呂はユニットバスだし、トイレも一番安いクラスのだし、洗面台も既製品。食器棚も食卓も冷蔵庫も前の家から持ってきた。コタツなんかは、夫が大学生の時に使っていたものです。買い足したのって、テレビくらいなんですよ。オーダーメイドした家具は、夫の趣味の漫画本を入れる本棚だけで、これが一番高かったんじゃないかな(笑)。

●ご主人:・・・・。それはそうと、柱や梁(ハリ)がところどころ割れてるのは、最初からこうだったわけではなく、乾燥して割れてきたんですよ。一年目は、夜中にピシー!パシー!って、すごい音がしてました。

●奥様:もちろん中心までは割れていなくて、ひとつ割れ目が入ることでカタチが安定してそれ以上割れないそうです。別にそれで柱が弱くなったりしないんですって。

●ご主人:床もだんだん足ざわりがなじんでくるし、経年変化を楽しめるのはいいですね。

●奥様: 同じ家を建てても、ウチには子どもたちもいるし、家族に合った変わり方をするんでしょうね。徳島すぎは柔らかいんで、床は既に傷だらけですが、けっこう戻ってきたりするんですよ、傷のままでなく。湿度の関係もあるんでしょうね。

リビングお手入れですか? 掃除機とモップが主です。ただ時々、硬く絞った雑巾でお寺の修行みたいに拭き掃除をします。徳島すぎは水に弱いので本当は「絶対にしてはいけない!」と言われているのですが、ぴかぴかになるし、その時の木の匂いが心地いいので、ついやってしまいます。あ、本当はいけないというところ、強調してくださいね。

●ご主人:この木目(節)も、味があって好きなんだそうですよ。

●奥様:実は、節がない木材のほうが高いそうです。でも私はいろいろ見せていただいた中で、節が気にならなかったし、むしろ木の存在感が感じられる。木目って個性があって、カオに見えるとか、あれは何に見えるとか、そんな想像をするのもすごく好きですね。ほかにひとつとない、オンリーワンのデザインだし。木の家に住んでるという実感があります。

●ご主人:それから、ウチ、壁や仕切りがほとんどないのが特徴なんです。普通は障子とか壁があるところに、ない。ウチのドアって、トイレと、風呂場ぐらいなんです。開放感があります。Kちゃん(次女)は家のどこが好き?

●次女:かいだん!

階段●ご主人:こどもたちは、この階段が好きで、ヒマさえあれば昇り降りしてますねえ。家全体が、明かりを遮断しない作りなんですね。階段の間からも光が入るし、窓の開口部が大きいし。冬と夏とでは太陽の高さが違うので、冬は部屋の奥まで日差しが入り、夏はひさしでさえぎられる。だから冷暖房も、あまりつけないで済んでますね。

ピアノ●長女:私は子ども部屋でピアノを弾くのが好きです。

●奥様:ピアノは実家から持ってきました。実家の鉄筋の家の音の響き方とはやはり少し違うような気がします。家全体がオルゴールの箱みたいな役割を果たしていて優しく響いている感じでしょうか。

木の家の特徴を五感で言うと、まず耳には、音が優しい。そして、目に優しい、木目も楽しめて、汚れが目立たない。触感は、冷たすぎず、熱すぎない。冬は底冷えしないし、夏にモワっとする暑さもありません。冷暖房も効きやすいですね。

そして、香りに癒されるのか、良く眠れるようになりました。引越してきたのと次女が生まれたのがほぼ同時で、授乳のために夜中に起きるんですが、飲んだらすっと寝る。寝かしつけに困るということがありませんでした。もっともこれは次女の個性かもしれません。私自身は眠りが深くなったのか、睡眠時間が短くても、疲れが取れやすくなりました。前の家では際限なく寝てたけど、この家ではずっと寝ておきたい、ということがないんです。

あとは、トイレのにおいがこもらないとか、洗濯物が乾きやすい、という人もいるようですね。そう言われてみると、布団を敷いていてもジメっとしないし、梅雨時期もあまりじめじめしてないかも知れません。

●ご主人:新建材の家は住み始めた時がいちばんいい時だとききますが、自然素材の家は変化が味になる。それがいいのかもしれませんね。家づくりは人それぞれ、僕たちには木の家がベストな選択だったなぁと自信を持って言いたいです。

 


このご家族が依頼したのは・・・

TSウッドハウス

TSウッドハウス(協)

良質の徳島すぎを構造材として使用したTSウッドハウスの家。山と木を愛する専業林家の視点から日本の住宅を見つめます。

建築家、製材会社、大工のネットワークを使った家づくりを進めています。

→TSウッドハウス(協)サイトへ(外部サイト)