製材所:湊俊司さん

那賀川すぎ共販

 

那賀川すぎ共販協同組合

湊俊司(みなと・しゅんじ)さん

profile

1958年、阿南市生まれ。1979年『株式会社アルボレックス』入社、2000年 那賀川すぎ共販協同組合。『株式会社アルボレックス』で営業として、住宅部材、木材の販売に携わる。座右の銘は“有言実行”。曰く「意志が弱いので、言ってから動く様にしています」。5~6年前からマラソンにはまり、体質も変化し、風邪をひかないのでやめられないとのこと。


木の先進県・徳島から、品質と技術を発信していきます。

※宿泊体験もできるモデルハウスで伺いました。

那賀川すぎ共販このモデルハウスの特徴は、構造材がオール徳島県産材であるということです。壁を全部杉で建ててるし、断熱材も杉板です。いま一般的なグラスウールの断熱材は、確かに木材より格段に断熱効果が高い。ただ、それはきっちり施工できたときの話で、隙間があったり、湿気が入ったときの数値は非常にバラつきがあるんです。ここは、杉板を断熱材に入れたときにどういう効果が出るのかを体感していただく施設であると同時に、温湿度計で全部の部屋と外気温との差を記録し、データ分析する実験棟でもあるわけです。

一軒の家全体を杉で建てると、材料としては80立方メートル使いますが、原木で言うと200立方メートル超えるような量を使うので、山に対する還元率も大きいですよね。山の木を使うことが、林業の活性化にもなり、循環型の環境も保全できる。いま省エネ住宅にはエコポイントがつきますが、近い将来には木造建築に対しても、エコポイントがつくようになるんじゃないでしょうか。

那賀川すぎ共販那賀川すぎ共販杉は比重が軽いんですが、それは空気層が多いということで、木自体が保温性を持っていて、蓄熱作用があるんです。だから断熱材を入れてない割には温かく、一度温まったらなかなか冷めない。寒い日でもスリッパが要らないくらいです。また、木材自体の匂いがかなり長持ちしますので、芳香剤を入れなくても大丈夫。ここはキッチンも全部ヒノキで作りましたが、普通は扉を開けると内側は合板や新建材で、それがすごく匂いますよね。だからここでは、内側まで全部木材で作りました。お風呂やトイレなどの水周りにも、ほとんど木材を使ってますが、乾きが早く、消臭効果もあります。
この家は、シロアリ予防の防蟻処理もしてないんです。建築基準法では、木造は基礎から1mは防蟻処理しなきゃいけないんですが、杉やヒノキの赤味で施工した場合は必要ない。それほど強い材料なんです。防蟻処理に使うのは砒素ですから、そういう人体に有害なものは全部排除したんです。
金物も、できるだけ使わないようにしています。この柱とハリケタの接合部に打ってあるのが、込み栓です。釘代わり、認定金物なんです。筋交いも、柱と柱の間に断熱材代わりに木の板を入れることによって、要らなくなる。それに、木の家は燃えやすいと思われがちですが、実は燃えるのにはとても時間がかかる、1分1mmという燃えしろ設計です。いまの消防は到着に30分以上かかるということはないので、50mmの材木を使っていたら、十分消せるという計算です。

那賀川すぎ共販我々は製材業者ですから、材料の選別自体もこだわりますが、徳島杉の特徴であるピンク色、これを殺さない乾燥方法とか、その木が持つ品質をとにかく活かしきることにもこだわります。色を濁らせないよう、黒くさせないように、まず天日の自然乾燥で3~4ヶ月置いてから、人工乾燥機に入れる。それも、色を保護するために70度以上には上げないとか、そういう工夫をしています。
関西の良い丸太は徳島にかなり流通してますが、それは板材を商品化する加工技術が、全国的にも徳島がレベルが高いからなんです。温暖で晴天率も高く、乾燥に適した風土ということもありますし。全国版の建築雑誌にも、徳島の板材が、かなり紹介されています。

これは江戸時代の後期から200年以上、伝統的に職人技がずっと受け継がれてるんですね。丸太の中で、どこをどういう風に取るかという“木取り”の技術も高い。昔は“阿波の三分板”と言われた、住宅の外装材に使われる9ミリくらいの薄い杉板があるんですが、その薄さをまっすぐ狂いなく高速で引こうとしたら、ノコの技術も要るし、木取りの腕も要る。それは、徳島の伝統的な技術です。やっぱり京阪神という大きな市場があったから、外装材の供給のために技術が発達したんでしょうね。

那賀川すぎ共販そんな製材業者が、板を二次加工して、最終商品にまでするのが一般的にになったのは、ここ10年くらいです。でも県外にはまだ、こういう板倉の住宅をシステム化して、プレカットまでして現地では建てるだけになってるシステムが、まだあまり整ってない。そういう意味でも、徳島は先進的です。

こういう住宅を目指す方、特にこのモデルハウスを県外から見に来られるまでの方は、ものすごく勉強されてます。国産材で家を建てることの意義、環境面への配慮、家族の健康のことを考えて、いろいろ調べてると、行き着く先はこういうものになってくる。それまでの過程で、最近はネットでものすごく勉強されている。乾燥の方法はどうされてるんですか、とか、金具はどうされてるんですか、ホールダウン(基礎のコンクリートと木材の接続方法)は‥‥など、プロの領域まで踏み込んだような質問が出てきます。

そういう意味でも、我々自身が展示会に行って、工務店さんでは説明しきれないところをフォローして、木材の育て方とか製材の技術、乾燥の方法などを、施主さんにどんどん説明したほうが良いと思うんです。そういう方は、どこでどういうふうに作ってきたのか分からないものは、絶対使いたくない。出生、出所がきちっと分かって、作り手や工務店さんはこういうところだと、そういう履歴があるところに頼む。やっぱり2千万、3千万という一生の買い物なんで、いい加減なところでは妥協できないでしょう。そういうお客様に、良い商品と、安心感を提供していきたいですね。

 

那賀川すぎ共販
▲一軒の家には4~5種類の板を、合わせて1500枚くらい使う。『那賀川すぎ共販(協)』は常時15万枚、つまり100軒くらいの家の在庫を持っているとのこと。「千枚の注文が入ってから千枚作るのでは絶対間に合わないですからね。常時、乾燥材の在庫があって、注文が入ってから1週間程度でどこの組合員からも出せる体制というのが、このシステムの強みなんです」。


湊さんが所属しているのは・・・

那賀川すぎ共販(協)

那賀川すぎ共販(協)

私たちは天然の無垢板建材「セーフティボード」や「板倉造の住宅」などを通して、人と自然環境にやさしい快適な家づくりをご提案しています。

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