製材所:稲岡正司さん

ハウスG

木材センター

稲岡正司(いなおか・しょうじ)さん

profile

昭和24年生まれ。外材の製材所を経て、昭和50年から平成8年まで、徳島杉の銘木センターで杉の割り柱の販売を担当。市場で求められるものを調査・研究し、製材所と協力して手間をかけることで、立米15万円前後の価格が20万円に上がるほど品質を向上させ、当時の割り柱販売量のシェアを日本一にした。多いときには月に1万5千本の柱を出荷したという、「木を売るプロ」。趣味の囲碁は5段の腕前。インターネットで全国の人と対戦することもあるという。


窓口の広さで、お客さまのどんなニーズにもこたえます

ハウスG丸太の流通経路は、山林家から製材所に直に流れるか、木材市場を経由して製材所に流れるか、大きくその二つです。製材所の製品も、製材所から直接、材木店やプレカット店に流れる場合と、市場を経由する場合と、これも二種類。我々はその木材の市場なんですが、野菜市場や魚市場と同じように、木材に関するあらゆるものを扱っている。県産材だけでなく、他県のものも、外国材も扱っています。いわば仲介ですが、それだけでなく、小さな製材所の営業の代行的役割を担っております。

そうやってあらゆる木材を扱っている中で、徳島産の木材の特徴と言えば、他県より太い丸太、年数の経っているものが多いということですね。木自体も、他県のものと比べて品質もいい。以前はきちんと枝打ちをして、できるだけ節のないものをつくろうと、生産者も手間をかけてきましたから。そういう太さを活かして、徳島は割角の化粧用柱や板類のシェアが高いです。あるいは、胴縁(どうぶち)とか垂木(たるき)類、小割(こわり)類。足場板や加工板を作るメーカーも多いですね。

もう一点は色の美しさでしょうか。杉はヒノキや他の木に比べてピンク色なので、見た目がやわらかい、温かい感じがしますね。同じ白木でも、茶室などにヒノキを使うことはまずないです。化粧(木が見える状態)で使う場合、徳島杉のピンクはキレイで、壁とか柱には好まれます。

ハウスGまた、杉の赤身はシロアリにやられないんです。以前は当社も、杉の赤身を沖縄や南の離島にたくさん送ってました。鉄筋はシロアリにやられるけど、杉の赤身はやられないということで。湿度の高いところ、海に近い温かい地域、そういうところは杉を使うのが多いんですね。木は一度生えたら自分で場所を動けませんから、虫にやられないよう、人間に白血球があるように、木も自分を守ろうとする成分があって、それが赤身のところにあるんだろうと思うんですが、そういう木の力を、家を作るときに使わなければいけない。

最近のお施主さんは、TVで宣伝していてネームバリューのある大手のハウスメーカーにまず見学に行きます。そこで「柱は集成材が一番いいですよ」と説明されたりすると、木のことを知らない施主さんは、それを信じてしまうんですね。もちろん糊で貼り合わせた集成材にも長所はあって、曲がりにくい、狂いにくい。木造の家のクレームのほとんどは、木の生材(なまざい)を使うところに起因していて、乾燥してきたら動いたり、隙間ができたりゆがんだりする木も中にはあります。木の家を作る人のほとんどは、ムクの木を使うならある程度しょうがないと理解しているけれど、1000人に何人かはそれを知らずに、クレームになる。工業化された集成材にはそういう問題は起きない、でもそれだけむしろ欠点のほうが多いと思います。

集成材の問題は、ヨーロッパの寒い地域の木を使ってることが多いですから、日本の高温多湿の気候ではシロアリにやられやすい。また糊付けしているわけですから、糊のところで遮断されて、水分を吸収したり放出したりの移動がうまくいかない、そういうことを考えなければいけないわけです。

そういった、偏った情報に我々がどう対抗していくかというと、やっぱり木のよさ、健康面をきちんと訴えていかんとアカンのではないかと思いますね。そして、「いまはこれが一番いい」というものを100%信用してはいけないということ。スポーツの常識でもなんでもそうですが、いままでこれが良いと言ってたことが、わずか数年でコロっとかわることもあるわけです。“最新”を売りにしたデータは、5年先、10年先にどうなってるか分からない。また、いまは建築基準法改正で、換気扇を24時間つけるようになっていますが、本来から言えば、そんな家を作らなアカンこと自体が問題でしょう。それは、新建材や集成材からいろいろな化学物質が出て、健康面に問題があるから換気が必要なわけです。

子ども部屋や寝室など、いる時間が長い部屋や閉め切る頻度が高いところは、健康面を考えれば、杉材や板を見えるところに使って欲しいですね。そうした親の気配りが必要じゃないかと思います。私も30年以上前に家を建てたとき、当時は知識もなかったし、新建材で作ったんですが、新築の間は目が痛いとか、いまから思えば子どもにもアレルギー反応のようなものが出てました。自分で身をもって経験したから、見学に来られた人にはそういうことも説明しています。

また、乾いたら狂いが生じるという問題をクリアするためには、こちらもきちんと乾いた木を日ごろから用意しておく必要がありますね。ハウスGについても、むくの木の乾燥材を普段から持って、しかも年数の経った木をなるべく出していけるようにしています。「品質のことはともかく、値段の安いものを」‥‥という建築業者もいる。しかし我々のように木を売ってる者からすれば、やはり品質のいいものを使って、きちんとした家を作って欲しいというのが願いですね。

徳島県産材では、やっぱり杉を使ってほしいですね。湿度調整に優れている点、あるいは木本来の温かさ。同じ床板を踏んでも、ヒノキは冷たいですが、杉は温かいし、やわらかいです。押入れの中も、ベニヤ、合板で貼ってしまうより、杉なら十分湿気を取りますから、収納しているものを乾燥させられる。見えないところだから合板でもいいのでなく、そういう場所だからこそ、吸湿という機能を考えれば、やはり木がいいんです。

ハウスGでは一般の方向けに、定期的に勉強会を開催しています。建て方やいろんなことを勉強する中の一環として、ここへも見学に来られます。山からどういうふうに木を切ってきて、どんな商品ができるのか、板にしたり柱にしたり、和室では敷居はこんなもの、鴨居はこんなもの‥‥と、現物を見て説明するわけですね。そんな中で健康面のことも説明すると、喜んでくれますね。特に現場で、こういう木はこういうところがいいですと、見ながら説明されると分かりやすいと。我々もそういう機会に、ハウスメーカーとの違いをしっかり伝えていきたいと思います。

ハウスGの特徴は、製材所一社だけでなく数社の製材所を取り扱っており、自社物件に関しては、その中からいいものを選んで出していける。それと、県内一円、窓口が広いですから、どんなお客様のニーズにもこたえられます。お施主さんも、家を建てようと思ったときには、ハウスメーカーの住宅展示場に行く前に、まず木とのふれあいを持ち、木のことを知ってほしいですね。


稲岡さんが所属しているのは・・・

ハウスG住宅センター協同組合

ハウスG住宅センター協同組合

木材生産から、製品販売、建材・住設販売、住宅・宅地販売まで、実績のある各社が協力しあう一貫システムです。

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